暢人 干支 寅 桑 銀象嵌 香合 平安 中埜暢人 ? 木製 桑材 切立 一文字 縁起物 美品 共箱 共布

寅文字 桑銀象嵌香合です。干支物ですので お正月に出品するのが一番には違いないのですが、木地物の香合にとって 一月は何としても “季節はずれ” です 。お作法上 どの様に扱うべきかは分かりませんが、“季節感” はお道具の要諦である事を考え、せめて “花咲く頃” をと この時期まで出品を控えておりました。
かなり以前に入手した品です。箱蓋には “暢人作 寅 桑銀象嵌香合” の墨書と朱印があり、同じ朱印の据わった共布が付いています。“しおり” などの添付がなく 分かっている事は箱書の文字情報のみで、作者に関する具体的な情報は分からないまま 今日に至りました。
この度 出品にあたり 改めて検索を行ったところ、“暢人” と “木地物” から “中埜暢人さん” ただお一人が浮上いたしました。唐木細工を専門とされるお家のご出身で、家業を継承されると同時に 木地物の作家としてもご活躍中。截金 切金作家である奥様との共同制作により華麗で瀟洒な作品を 個展中心に発表され続けている高名な作家さん…との情報でした。
検索内容のみから 直ぐに作家を特定するのは軽率ですが、もしそうならば…この香合の出来の素晴らしさがおおいに納得できますし、経歴 活動内容等々からも 恐らくは相違あるまいと考え、一応 フルネームでの出品を試みました。
桑材の一文字香合で 上面に銀象嵌で “寅” の文字。木地の出来は繊細 精緻で極上だと感じました。表面の仕上げの美しさ 薄手の本体の軽やかさ 合口の具合の程の良さ 共に理想的ですし、銀象嵌の仕上がりも見事で 作者の腕の確かさが良く分かります。“木地の仕上がり” だけは なにぶん手にしてみないと分からない性格のものではありますが、私の感覚からは “極上々” と感じられました。
一文字型で、蓋の合口部分に極低い “ツバ” “エッジ” の立ったタイプです。生来のものかは分かりませんが、底部分に１ミリ程のアタリアト（写真８）があります。
上記の通り “作者” は明確ではありません。ただ 何よりも作品自体の出来の良さが 作り手の腕の確かさと感覚の鋭敏さを雄弁に物語っていて、それだけでも充分な満足感を与えてくれる品である事は確かだと思います。銀象嵌の “寅” 文字も銀色が映え、凛としてとても結構だと感じました。
時節に叶った “干支物” ではありますが、大変に出来の良い品ですので、文字通りの香箱 小物入れ 小箱としての使用も素晴らしいと感じられます。

美品です。象嵌の銀針金も輝かしく綺麗ですし 桑材の深々とした色合いとのコントラストも見事だと思います。愛蔵品として最適だと考えます。

概寸 φ 6.4cm×h 2.9cm

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定形外などの普通便は、発送まで若干の時間が生じる場合があります。補償・追跡もありません。臨機応変に対応はいたしますが、基本的には箱内外を緩衝材でガードして封筒で発送をいたします。